欧州を代表するショットメーカー、トミー・フリートウッド。
しなやかなスイングから放たれるコントロール性能の高いドローボールト、正確無比なアイアンショットは、多くのゴルファーを魅了しています。
無理に叩いて飛ばすのではなく、弾道を操りながらコースを攻略する——。
その戦略的なプレースタイルを支えているのが、徹底的に計算されたクラブセッティングです。
本記事では、2026年2月時点での最新クラブセッティングを詳しく紹介。
最新のQi4Dドライバーやミニドライバーの併用など、再現性を重視した14本の構成は多くのゴルファーにとって参考になるポイントが満載です。
※当サイトでは2026年最新の海外男子プロクラブセッティングを随時更新中。
他選手の最新セッティングはこちら → 【海外男子プロセッティング一覧】
世界トップクラスのドローヒッターは、どんな武器で戦っているのか。
バッグの中身から、その強さの秘密に迫ります。
トミー・フリートウッドのクラブセッティング一覧(2026年2月)
まずは現在のクラブセッティングを一覧で見ていきましょう。
※2026年2月時点の情報です。
| クラブ | モデル・仕様 | シャフト他 |
|---|---|---|
| ドライバー | TaylorMade Qi4D LS (10.5°) | Fujikura Ventus TR Blue 6 X |
| ミニドライバー | TaylorMade R7 Quad (13.5°) | Fujikura Ventus TR Blue 6 X |
| 5W | TaylorMade Qi35 (18°) | Mitsubishi Kuro Kage 80 TX |
| 9W | TaylorMade Qi10 (24°) | Mitsubishi Kuro Kage 80 TX |
| 4I | TaylorMade GAPR Lo | Project X 6.5 |
| 5I~PW | TaylorMade P7TW | Project X 6.5 |
| ウェッジ | TaylorMade Hi-Toe 4 (52°) | Dynamic Gold Tour Issue S400 |
| ウェッジ | TaylorMade MG5 (60°) | Dynamic Gold Tour Issue S400 |
| パター | TaylorMade Spider Tour Black | SuperStroke Mid Slim 2.0 |
| ボール | TaylorMade TP5x Pix | - |
最新のQi4Dドライバーを採用しつつ、操作性の高いミニドライバーも投入。
ティーショットの安定性と弾道コントロールを重視する、トミー・フリートウッドらしい構成といえるでしょう。
では、なぜこのような構成になるのか。各クラブのスペックと役割を詳しく見ていきましょう。
ドライバー:Qi4D(10.5°)
トミー・フリートウッドが使用するのは、最新モデルのQi4D(10.5°)です。
高い寛容性と直進性を備えながら、操作性も確保した設計が特徴です。
シャフトにはベンタスTRブルー6Xを装着。安定感と叩ける強さを両立した、ハードヒッター仕様のセッティングとなっています。
- ロフト:10.5°
- シャフト:VENTUS TR Blue 6X
- フレックス:X
- 特徴:高慣性モーメント設計+安定した中弾道ドロー
Qi4Dは高い直進安定性を持ちながら、フェースコントロールの自由度も残したモデルです。
ドローヒッターであるフリートウッドにとって、左への巻き込みを抑えつつ強い球を打てる点は大きなメリットといえるでしょう。
また、ベンタスTRブルー6Xは先端剛性が高く、インパクト時のブレを抑制。
叩いても当たり負けしないため、プレッシャーのかかる場面でも安定したティーショットを可能にしています。
安定感のある強いドローボールを打ちたい方には、非常に参考になる組み合わせです。
ミニドライバー:R7 Quad(13.5°)
最新のQi4Dドライバーに加え、あえてR7 Quad(13.5°)のミニドライバーをバッグに入れている点は非常に興味深いポイントです。
ティーショットの安定性を最優先したいホールや、狭いコースレイアウトで真価を発揮する一本といえるでしょう。
シャフトはベンタスTRブルー6X。ドライバーと同系統のシャフトを採用することで、振り心地の一貫性を保っています。
- ロフト:13.5°
- シャフト:VENTUS TR Blue 6X
- フレックス:X
- 役割:狭いホールでのティーショット用/安定重視
13.5°というロフトは、ドライバーよりも球が上がりやすく、スピン量も安定しやすい設定です。
フェアウェイキープ率を高めたい場面では、大型ドライバーよりも安心感があります。
また、Qi4Dと同じVentus TR Blue 6Xを採用している点は見逃せません。
重量帯と剛性を揃えることで、番手が変わってもスイングテンポを崩さない——ここにトッププロらしい配慮が感じられます。
飛距離だけでなく「狙った場所に置く」ことを重視する、トミー・フリートウッドらしい選択といえるでしょう。
ドライバーが不安定になりがちな方にとって、ミニドライバーという選択肢は大きなヒントになるはずです。
フェアウェイウッド:Qi35(5W・18°)/Qi10(9W・24°)
フリートウッドのフェアウェイウッドは、5Wと9Wの2本体制。
中距離のグリーン攻略を重視した構成が特徴です。
5WにはQi35(18°)、9WにはQi10(24°)を採用。いずれもシャフトはクロカゲ80TXで統一されています。
- 5W:18°/Kuro Kage 80 TX
- 9W:24°/Kuro Kage 80 TX
- フレックス:TX
- 特徴:高弾道・安定性重視の構成
18°の5Wは、パー5のセカンドや長いパー4でのティーショットに対応する万能クラブ。
高弾道ながら吹き上がりを抑えられるため、風の中でも安定したキャリーを生み出します。
一方、24°の9Wを入れている点は非常に興味深いポイントです。
ロングアイアンの代替として、”高さでグリーンを狙える武器”になります。
ドローヒッターである彼にとって、球を上から止められる9Wは大きなアドバンテージといえるでしょう。
また、両クラブともKuro Kage 80 TXで統一。
重量帯を揃えることで振り感を統一し、スイングの再現性を高めています。
番手間でのフィーリングの差を最小限に抑える、トッププロらしいセッティングです。
ロングアイアンが難しいと感じる方は、9Wという選択肢を検討してみる価値があるでしょう。
アイアン:GAPR Lo(4I)/P7TW(5I〜PW)
アイアンは、操作性を最優先した構成です。
4番にはGAPR Lo、5番からPWまではP7TWという組み合わせ。
いずれもシャフトはプロジェクトX 6.5を装着しています。
※GAPR Loは2018年モデルのため、中古市場での流通が中心です。(新品リンクが見つからない場合があります)
- 4I:GAPR Lo/Project X 6.5
- 5I~PW:P7TW/Project X 6.5
- フレックス:X
- 特徴:低スピン設計+高い操作性
GAPR Loは中空構造を採用し、ロングアイアンよりも寛容性を確保したモデル。
それでも弾道は抑えめで、風の中でも強い球を打てる設計です。
ティーショットや長いセカンドで、ラインを出して狙う場面で威力を発揮します。
5I〜PWに採用されているP7TWは、非常にコンパクトなブレード形状。
フェースコントロール性能が高く、弾道を自在に操れるモデルです。
ドローヒッターであるフリートウッドが、”距離と曲がり幅を精密にコントロールするための武器”といえるでしょう。
Project X 6.5は先端剛性が高く、打ち出しを抑えた強弾道が持ち味。
ラインを出して打つスタイルとの相性は抜群です。
弾道を操りたい中上級者にとって、この組み合わせは一つの理想形といえるかもしれません。
ウェッジ:Hi-Toe 4(52°)/MG5(60°)
ウェッジは52°と60°の2本体制。
フルショットの距離管理と、グリーン周りでの多彩なショットを明確に役割分担しています。
シャフトはいずれもダイナミックゴールドツアーイシューS400。
アイアンからの流れを崩さない、重量感のあるセッティングです。
- 52°:Hi-Toe 4/Dynamic Gold Tour Issue S400
- 60°:MG5/Dynamic Gold Tour Issue S400
- フレックス:S
- 特徴:低打ち出し+高スピンコントロール設計
52°のHi-Toe 4は、フルショットで距離を正確に刻むためのウェッジ。
ややハイバウンス寄りの設計により、入射角が安定しやすく、再現性の高いアプローチが可能です。
一方、60°のMG5はグリーン周りの主力武器。
フェースを開いて高さを出すショットや、低く出してスピンで止めるショットなど、多彩な弾道を打ち分けられます。
シャフトにダイナミックゴールドツアーイシューS400を採用している点も重要です。
重量感と粘りのある挙動により、アイアン同様にラインを出して打てる設計。
“低く打ち出してスピンで止める”という彼らしい弾道イメージを支えています。
アイアンの「低スピン設計+高い操作性」という思想は、ウェッジにも一貫しているといえるでしょう。
距離を刻む52°と、仕留める60°。役割を明確に分けることで、ショートゲームの精度は大きく変わります。
パター:Spider Tour Black
パターは高慣性モーメント設計のSpider Tour Blackを使用。
直進性と安定感を重視したマレット型モデルです。
グリップにはSuperStroke Mid Slim 2.0を装着。
手首の余計な動きを抑え、ストロークの再現性を高める仕様となっています。
- モデル:Spider Tour Black/SmallSlant
- 形状:高MOIマレット型
- グリップ:SuperStroke Mid Slim 2.0
- 特徴:直進性重視・安定した転がり
Spider Tour Blackは、フェースバランス寄りの設計で直進性が高く、ストローク軌道を安定させやすいモデルです。
ショットでは操作性を重視する一方で、パターでは“ブレないこと”を最優先している点が印象的です。
また、SuperStroke Mid Slim 2.0はやや太めの設計で、手首の余計な動きを抑制。
繊細なタッチを保ちながら、プレッシャーのかかる場面でも再現性を高めています。
ショットはドローで操り、パターは直線的に打ち抜く——。
クラブごとに求める性能を明確に分けることで、トータルバランスを取っているのが分かります。
ストロークが安定しないと感じる方は、マレット型+太めグリップという組み合わせを試してみる価値があるでしょう。
ボール:TP5x Pix
ショットの弾道やスピン量を最終的に決定づけるのがボールです。
フリートウッドはTP5x Pixを使用。高初速と安定したスピン性能を両立したツアーボールです。
特徴的な「Pix」デザインは視認性を高めるだけでなく、転がりのイメージを出しやすい点もメリットといえるでしょう。
- 構造:5ピース
- 性能:高初速・低スピンドライバー性能/アイアンでは高スピン設計
- 特徴:視認性の高いPixプリント
TP5xは、ドライバーでは低スピンで強い弾道を生み出しつつ、アイアンやウェッジではしっかりと止まるスピン性能を発揮するモデルです。
ドローヒッターであるフリートウッドにとって、“曲がり幅を抑えながら前に強く飛ぶ”性能は大きな武器。
その一方で、グリーン上では繊細な距離感も求められます。
Pixデザインはパッティング時のアライメント確認にも役立ち、転がりの安定性を視覚的にサポートします。
クラブで作った弾道設計を、ボールで完成させる——。
TP5x Pixは、彼のセッティング思想を象徴する存在といえるでしょう。
強い弾道と止まるスピンを両立したい方には、TP5x Pixは有力な選択肢です。
グリップ:Tour Velvet Cord
パター以外のクラブに装着しているのは、ゴルフプライドのツアーベルベットコード。
ツアープロの使用率も高い、定番のコード入りラバーグリップです。
- コード入りで高いグリップ力
- 雨天時でも滑りにくい
- 過度な柔らかさがなく、ダイレクトな打感
Tour Velvet Cordは、しっかり握ってもブレにくい安定感が魅力。
特にドローヒッターは左への巻き込みを抑えるため、フェース管理が重要になります。
その点、コード入りのしっかりした質感は、インパクト時のフェース向きを繊細に感じ取りやすいというメリットがあります。
派手さはないものの、“再現性重視”というフリートウッドのセッティング思想を象徴する選択といえるでしょう。
滑りにくさとダイレクトな打感を求めるなら、Tour Velvet Cordは間違いのない選択肢です。
まとめ:トミー・フリートウッドのセッティング思想
フリートウッドのクラブセッティングを通して見えてくるのは、一貫した「再現性重視」の思想です。
最新のQi4Dドライバーで飛距離と安定性を確保しながら、ミニドライバーを併用してティーショットの精度を高める。
ロングアイアンにはGAPR Loを採用し、アイアンは操作性の高いP7TWで弾道を操る。
ウェッジでは低く出してスピンで止める設計を徹底し、パターは高MOIモデルで直進性を確保。
そして、TP5x Pixで弾道設計を完成させる。
つまり彼のセッティングは、
- 飛ばすための構成ではない
- 曲げるための構成でもない
- “狙った弾道を再現するため”の構成
といえるでしょう。
ドローヒッターでありながら、過度に捕まりすぎない設計。操作性を重視しながら、要所では寛容性も確保するバランス。
そこに、世界トップレベルで戦い続ける理由が見えてきます。
アマチュアゴルファーにとっても、「自分は何を優先したいのか?」を考えるヒントになるセッティングではないでしょうか。


















